1990 – Journeyman Japan Tour
04-Dec-1990 Budokan, Tokyo
05-Dec-1990 Budokan, Tokyo
06-Dec-1990 Budokan, Tokyo
09-Dec-1990 Yoyogi Olympic Pool, Tokyo
10-Dec-1990 Rainbow Hall, Nagoya
11-Dec-1990 Osaka Castle Hall, Osaka
13-Dec-1990 Yokohama Arena, Yokohama
personnel
Eric Clapton (Guitar, Vocals)
Nathan East (Bass, Vocals)
Steve Ferrone (Drums)
Phil Palmer (Guitar)
Greg Phillinganes (Keyboards, Vocals)
Katie Kissoon (Backing Vocals)
Tessa Niles (Backing Vocals)
90年はECが一つの頂点を極めた年ということに異論を挟む余地は無いであろう。ロック、ブルース、ソウルなどを高い次元で融合した傑作アルバム「Journeyman」を完成させ、年始からロンドンはRoyal Albert Hallでの連続18公演という偉業を成し遂げ、欧州ツアー、北米、南米、オセアニアと精力的に巡って、東南アジアを経て90年の締め括りとして日本にやってきてくれた。このツアーの最大の論点は何と言っても、名うてのミュージシャンの起用に尽きるであろう。86年より始まったNathan EastとSteve FerroneというECのキャリア上初の黒人リズム隊とのコンビネーションに、同じくブラコン界のファーストコール、キーボードのGreg Phillinganesが参加、更には英国の売れっ子セッションギタリストPhil Palmerという、これまでにない高い演奏力を誇る鉄壁の布陣がバックを固めたのだ。これだけの面子が揃えば正に鬼に金棒で、幅広いアレンジ力と柔軟性が惜しみなく演奏に反映されたステージになるのは必至。そんな海千山千の彼らに盛り立てられたか、ECのギターも冴え渡っており、何度も弦を切ってしまうほど熱のこもったプレイを連発。現在でもこのツアーをベストと推すファンが多いのも頷ける。ツアーを重ねるごとにスローになって行く「Wonderful Tonight」だが、このツアーが最もスローで、ECのヴォーカルも囁くように歌わるが、白眉は何と言ってもKatie Kissoonのフリースキャットだろう。彼女の非凡な表現力が、この曲の世界観をまた一段上へ押し上げたのは言うまでない。全体的にECのプレイクオリティも非常に高く、起承転結のあるギターソロで聴く者を飽きさせない。次々とフレーズが沸いて出てくるといった状態なのだろう。気力が漲っている証拠である。ギターサウンド的にも、ミッドブーストとハイゲインのSoldanoアンプの組み合わせが実現させたロングサスティーンでの泣きのギターが随所で聴かれた。ルックス的にも金髪ロングヘアーにアルマーニやベルサーチのスーツというそれまでにないクールさは、まさにバブリーな時代を反映していたのかもしれない。81年公演以来の横浜公演も復活。各日セットリスト的には全く変化のない内容だったが、内容がそれを補って余りあるものだった。全ての面で非の打ち所のないツアーだったと言えるだろう。
公開日:
最終更新日:2016/01/13